泥のにおいもわからない

へっぽこ貧乏女子が侘しい日常やうだうだと考えていることを淡々と吐き出します。

『乙嫁語り』7巻の感想

森薫乙嫁語り』の7巻を先日読みました。萌えの洪水に「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」と身もだえるばかりで、この溢れる想いをどうやって言語化すればいいのかさっぱり分かりませんがブログのネタがないので(爆)頑張ってみる。

乙嫁語り 7巻 (ビームコミックス)

乙嫁語り 7巻 (ビームコミックス)

 

 今回の舞台はペルシア。富豪の妻アニスの物語です。

豪邸の中で花を愛で動物と戯れ、一夫多妻制ながらアニスだけを愛する夫と子供にも恵まれ何不自由なく暮らしているアニスですが、邸宅の中でひとりで過ごすことが多く孤独感に苛まれます。

そこで女中のマーフが提案したのが、風呂屋へ行って「姉妹妻」を見つけること。

家族以外の男性に姿を見せることが許されず、外出時には全身を覆う黒衣(ブルカってやつかな)を纏う習わしの地域で、女性の行動が厳しく制限されていることが伺えますが、風呂屋(公衆浴場)の女湯は「女同士」だから「気兼ねなんかいらない」場所。女性たちの交流の場となっていてとても賑やかです。

「姉妹妻」とはあとがきの説明もあるように「女性どうしのもうひとつの結婚」のようなもので、夫と子供をもつ妻同士が契りを交わし、1番の親友として何でも語り助け合い、一生おつきあいをするというもの。はじめて風呂屋を訪れたアニスは、自分とは対照的に豊満で美しい姿のシーリーンという女性にひと目で惹かれーー

 

と、大体のあらずじはこんな感じで。

一冊通してこれでもかと言うくらい美しい裸婦であふれかえっていて目がまぶしい。お風呂屋さんは湯船といったものはたぶん無く、サウナのようなものかと思いますが、湯気に煙るたおやかな女性達の裸の描写はため息もの。その光景の中でアニスとシーリーンが頬染めながら距離を縮めていくのですよあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!

最後は、夫が急逝し義父母とともに遺され困窮に立たされるシーリーンを、アニスが自分の夫の第二夫人として迎え共に暮らすという展開に。女性を困窮から救う術が結婚しかなかったというところは、当時から現在までなお続く難しい問題であると考えを巡らせてみると、この章のタイトル「ふたりの園」と、最後のコマで美しい庭園の中で寄り添うふたりの絵は、美しいながらも複雑な感情入り混じるもの悲しさを覚えます。純粋に「良かったね」とは言い難い背景があるからこそ、ふたりの姿の美しさと愛の深さがより際立ってしまうというのがね……しかしアニスの夫は本当に良い人ですね……が、頑張れ。

ちょっとしんみりしてしまいましたが、表紙を見てもわかるように今回は人物も背景もいつもより細い線で描かれています。ペルシアの水と光と花とモザイクタイルの織りなす美しい光景が湯気と共に煙り、今回の「姉妹妻」の物語を華やかに、繊細に匂い立たせています。

あ、あと私が特に気に入っているのが、シーリ―ンがスイカをひとりで食べる場面。下手に描くと下品に見えそうな場面ですが、官能的で、でも健やかで、うっとりするほど美しく描かれていて、本当に森薫氏の絵の上手さと妥協の無さはすごいなあと尊敬します。

次巻はいよいよパリヤ編とのこと。待ちどおしい。

 

乙嫁語り 7巻 (ビームコミックス)

乙嫁語り 7巻 (ビームコミックス)

 
森薫拾遺集 (ビームコミックス)

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