泥のにおいもわからない

へっぽこ貧乏女子が侘しい日常やうだうだと考えていることを淡々と吐き出します。

志村貴子『娘の家出』2巻の感想

『娘の家出』、1巻を読んだときは登場人物の関係や時間軸が分かりづらいのと、物語のトーンの低空飛行感に当てられて読むのが苦しかったのですが、2巻も買いました。

娘の家出 2 (ヤングジャンプコミックス)

娘の家出 2 (ヤングジャンプコミックス)

 

 2巻になると登場人物の相関図や物語の雰囲気がつかめてきて、作品に対する向き合い方がわかってきたのでとても面白く読めました。

いや、面白いんだけど、やっぱりしんどい。胸と胃がキリキリ痛みます。

登場人物はみんな家族に対して腹に一物抱えていて振り回されたり振り回したり。

で、物語の主軸となる少女達はそれらから離れるために家出したり、引きこもったり、忘れようとしたり、妄想したり……何らかの方法で少しだけ「逃避行」を計ります。

でも家族の問題だったり過去の出来事って、何だかんだ一生自分自身にまとわりついて離れないものなんですよね。そのことで傷ついたのなら尚更。

だから、少女達の問題も、「逃避行」した先も、結局全部おんなじ日常の中にある。

オムニバス形式なので、登場人物たちは1話の尺の中で一応は自分の心に折り合いをつけたり達観してみせたところで完結しますが、きっとまた同じ悩みを延々と抱え悶々と日々を送る、この繰り返しだと思います。ともすれば身も蓋もない話ですが、「まあ、しょうがないか」と諦念を漂わせつつ、少し希望を見せて〆るところが作者の技量であり、また私達の日常そのものであると感じました。

 

冒頭でも触れましたが、この作品は全ての登場人物にどこかしら共感するポイントがあって本当に胸と胃が痛い(笑)。あと、作品の舞台は東京の郊外だと推測されますが、東京というよりはもっと地方の都市部に漂う独特の閉塞感且つわずかな荒み具合が感じられる。そうした空気感も私が居住している地域とそっくりで、そして私はその空気感が嫌いなのでますますしんどくなる(笑)。

 

地面すれすれのところをふわふわと低空飛行しながら前に進んでいるような作品だな、と思いました。

 

娘の家出 2 (ヤングジャンプコミックス)

娘の家出 2 (ヤングジャンプコミックス)

 
娘の家出 1 (ヤングジャンプコミックス)

娘の家出 1 (ヤングジャンプコミックス)