泥のにおいもわからない

へっぽこ貧乏女子が侘しい日常やうだうだと考えていることを淡々と吐き出します。

固執のナポレオンパイ ~フランソア喫茶室~

木屋町四条にある昭和9年創業の「フランソア喫茶室」が大好きで、とは言ってもよく通う時期と全く行かない時期を数年単位で波のように繰り返しているのですが。最近は「よく通う時期」が来ていて、自宅から遠いうえに無職生活でお金が無いのに週1,2回ペースで訪れていました。本当にお高いのよここ……

京都河原町:フランソア喫茶室

 

どうして貧乏人が珈琲一杯580円もする店にしょっちゅう通っているのかというと、なんか知らんが妙に落ち着くんですよね。私がフランソアに通う時期は大体何かに行き詰って落ち込んで何もしたくなくなってる時です。

観光客と地元のおじさんおばさんと私のようなミーハーな若者が集う場所なのでそりゃあもう喧騒がすごいのですが、その喧騒がかえって自分を外界から遮断する膜になっているような気がします。いや、大きなお喋り声も、ひとりで吐く溜息も、全てを内包してひとつの空間としてしまう懐の深さがフランソアにはあるんですよね。長年人が集って憩う場所にはそうした力が宿るのだなあと考えてしまいます。

で、私が最近行くたびに注文しているのが「ナポレオンパイ」というケーキです。

ブランデーの「ナポレオン」を染み込ませたスポンジケーキとカスタードクリーム、甘いイチゴを挟んだミルフィーユという魅惑的な一品。ひとつ700円……フランソアの中でも一番お高いおケーキ様です。

なんでそんなもんを毎回注文してんだよ無職が、と思われるでしょうがご心配なく。毎回注文していますが毎回売り切れてるんですよ!

はじめて注文してみた時は清水の舞台から飛び降りる気持ちでしたが、あっさり売り切れと言われてせっかくの気合も肩透かし。こうなると余計に食べてみたくなるのがいやしんぼのアカン根性で、近くに用事があるたびに吸い寄せられるように訪れて注文しては売り切れの繰り返しで、珈琲一杯だけ飲んで帰る日々が続きました。

そうこうしている間に新しい勤め先が決まり、必要なものを買いに行った今日、帰りにダメもとで寄ってみて注文したら、ありました念願のナポレオンパイ! 

神様からの就職祝いか、いや、無職に食わせるナポレオンパイは無かったということでしょうね!!ハハハ……

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 これだよ、求めていたのはこの断面ですよ!!

早速1番上のイチゴを食べると、甘い香りが口いっぱいに広がります。酸っぱいイチゴを使うケーキ屋は滅びろと割と本気で呪っている自分にとって理想的な、そのまま食べてちゃんと甘くて美味しいイチゴです。

そして、問題はミルフィーユ本体です。私はミルフィーユは倒さずに意地でも立たせたまま食べたい教ですが、これ、無理や……1番上の、クリームに乗っかってるパイが柔らかくて、ナイフを通そうとしてもふにゃりと曲がってしまう。そして圧力で横に漏れるクリーム……早々と観念して横に倒してきれいに食べようと試みますが、柔らかいパイ生地がクリームと完全に一体化してナイフの圧力をふんにゃりと分散してしまうのでなかなか上手く切れません。

結局編み出した解決策としては、上に乗っかったイチゴ/一番上の柔らかいパイ/真ん中のクリームとパイ/下段のスポンジと土台のパイ、 の4ブロックに皿の上で分解し、それぞれを一口大に切り、その一口大のパーツを再度積み上げて再構築して食べるとう方法でした。なにやってんだろう自分と思いました。

最善の食べ方を追求すべくまたしばらく通うことになりそう、と言いたいところですが、いよいよ洒落にならない金欠になってきたのでしばらくはお預けです。

また俺と闘ってくれよな、おいしかったよナポレオンパイ……

 

京都・大阪・神戸の喫茶店

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京都カフェ散歩―喫茶都市をめぐる (祥伝社黄金文庫 か 17-1)

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